プラントハイパーBKを工業用水ラインに採用!
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ
印刷版PDF(会員限定) Introduction
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズは、兵庫県尼崎市に本社を置くチタン・高機能材料メーカーです。
1952年に日本で初めてスポンジチタン製造の工業化に成功したパイオニアである同社の基幹工場、尼崎工場で、積水化学のプラントハイパーBKを採用いただきました。
約70年の歴史を持つこちらの工場では、張り巡らされた各種配管の維持管理にかかる大きなコストが課題に。そこでプラントハイパーBKによる設備の長寿命化も期待されています。
工事計画から施工管理を担当される設備部の荒澤様に、採用の経緯やご感想を伺いました。
インタビュー : 2021年11月19日(オンラインによる取材)
Guest
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ
設備部 荒澤様
Interview
メンテナンスフリーで長寿命化に貢献!
- ———まず、大阪チタニウムテクノロジーズ様について教えてください。
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弊社はチタン製造を行っていて、原料からスポンジチタンと呼ばれるチタン素材の元を作り、加工メーカーに出荷しています。最終的には航空機や自動車、医療機器、建築分野などで利用されています。今回プラントハイパーBKを採用したのは本社である尼崎工場で、稼働開始は1952年ですから、2022年に70年を迎える弊社の基幹工場です。
- ———歴史のある工場ですね。写真を拝見しましたが、配管の多さに驚きました。設備の維持管理はどのようにされているのですか?
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工場内は非常に多くの配管が入り組んでいて、管理が大変なんです。担当する部署が毎日工場内を見回って点検を行っています。配管に限らず動力や生産設備など、損傷が見つかると私たち設備部に依頼が来ます。損傷箇所を確認し、改修計画や工事を行うのが私たちの仕事です。工場が休みなく安全に稼働できるように目を光らせ、もしも損傷が見つかれば迅速に対応しています。
- ———プラントハイパーBKの採用に至るまでの経緯を教えてください。
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今回プラントハイパーBKを採用したのは、生産ラインの中で冷却や洗浄に使用するための水を供給する、工水(工業用水)配管です。 元々は鋼管(SGPW)を使用していて、施工から35年が経過していました。既設配管は大口径で設計していたため、流速低下により腐食が進み、錆こぶによる穴開きが多く見られメンテナンス費用が増していたので、リニューアルを検討することになりました。
- ———プラントハイパーBKを知ったきっかけは?
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実は2019年以降、薬液配管の更新でプラントVPパイプやVPFWパイプ、エスロンバルブを採用していて、積水化学さんとは付き合いがあったんです。私はその当時は担当ではなかったのですが、プラントハイパーBKについても教えてもらい、Webセミナーやキャラバンカーによる説明会で耐久試験や施工実演を行っていただいたそうです。
そこに工水配管のリニューアルの話が起こり、塩ビ管、ステンレス管、ライニング鋼管などを検討していたところ、説明会に参加していた当時の担当者からプラントハイパーBKのことを聞いたんです。早速積水化学の営業担当の増田さんに連絡して詳しい話を聞かせてもらいました。
- ———第一印象はいかがでしたか?
- 既設の鋼管で老朽化による配管の穴開き、漏水に悩まされていたので、ポリエチレン管の錆びや腐食に強く、EF(電気融着)接合で漏れが無いという特長は非常に魅力的でした。さらに金属より軽くて施工もしやすい、耐震性にも優れていて、こんなにいいものがあるならもっと早く教えてほしかったと思いましたよ。
- ———採用の決め手は何だったのでしょうか?
- プラントハイパーBKは塩ビ管と比べて紫外線で劣化しにくく、流速が低下してもポリエチレン製のため錆の発生や腐食が無い。これらのメリットから、配管口径をラインアップに合うように設計しコストダウンが見込めたことが、大きな決め手でした。
コロナ禍の中、弊社も業績に影響を受けており、経費削減に取り組んでいます。改修費用を複数の管種で見積もった時に、イニシャルコストの問題で全面改修は難しいと判断されていたんです。そんな時にちょうどプラントハイパーBKを知り、材料・施工の費用が他管種よりも低コストであることが分かりました。それだけでも採用決定していいんじゃないかと思ったほどです。
もちろん、すぐさま決定したわけではなく検討を重ねて、まずは工業用水配管ラインの一部、300mほどの区間で採用することになりました。
メンテナンスフリーですから、ランニングコストの削減にも期待しています。それまで補修にかかっていたコストを考えると3年で元が取れる計算でした。
単にお金の問題だけでなく、メンテナンスの回数が減ることは工場の安定操業にも繋がります。
- ———施工についても伺います。プラントハイパーBKの施工で、他管種との違いを感じられたことはありますか?
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一番大きな違いは、工事期間が短く済んだことです。ポリエチレン管は鋼管に比べて圧倒的に軽量で、5mの直管が一人で持ち上げられるほどです。配管のサポートは金属管よりも多く取り付ける必要がありますが、サポートの設置を含めても、かかった時間は鋼管の場合と比べて早く済みました。
今回は工事期間が梅雨の時季と被っていたので、天気の影響が大きかったほか、工場内の他の工事との兼ね合いもあり、毎日継続して工事を進めることはできませんでした。一部の区間は、平日はひっきりなしに車が通るため、土日しか工事が進められないこともありましたが、それでも約3か月で改修工事が完了しました。鋼管ならもっと長期間になっていたと思います。
- ———施工業者様の感想はお聞きになりましたか?
- 施工を担当してもらった(株)田村鉄工所さんでは、EF接合の施工経験はありましたが、作業者の中には未経験の方もいたので、事前に積水さんの技術担当者による施工講習会を開いてもらいました。はじめは説明書を一つ一つ確認しながらの作業でしたが、一日もやればすぐに慣れていましたね。次の機会にはもっと早くできると思います。
実際に作業にあたった方から聞きましたが、施工がラクだと好評でしたよ。
- ———お褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。では、プラントハイパーBKの課題点や、ご要望はありますか?
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配管の腐食に悩まされてきましたが、今回のリニューアルで解消されました。耐紫外線性能についても今後の経過を見て、長持ちしてくれることを期待しています。
性能以外の面では、もっと使いやすく施工を便利にするために、継手の種類を増やしてもらえると嬉しいです。例えば、プラントハイパーBKでは枝管の取付けが出来ないですよね。フランジ付チーズなどがあれば、将来的に枝管を追加したい時に便利だと思います。
他にも異径レデューサの口径追加や、ヘッダーシステムが出来るといいですね。鋼管ほどとは言わないまでも、種類が豊富になればもっと色んな状況に対応できます。
- ———現場の利便性向上のため継手の種類を充実させてまいります。近日、異径チーズのラインアップを大幅に追加予定です。
- そうなんですか!新しい情報があれば、ぜひこれからもすぐに教えていただけますか。
現在、尼崎工場だけでなく大阪の岸和田工場でも配管の更新にプラントハイパーBKを検討しているんです。新製品が登場することで、これまで出来ないと思っていたことも出来るようになるかもしれませんからね。計画から施工・メンテナンスまで、何をどうすればより便利に、効率よくできるのかを常に考えていますから、最新の情報を取り入れるようにしたいんです。
- ———貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。最後に、積水化学に期待することを教えてください。
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工水配管は今回の範囲以外でも老朽化が進んでいますから、改修を進めていく計画です。来年以降に1kmのラインでプラントハイパーBKを採用予定なので、引き続きよろしくお願いします。
工場内の他部署からもプラントハイパーBKについて質問されることが増えました。見慣れない黒いパイプが新しく通ったので目立つんです。「融着ってなに?」と聞かれることも多いですよ。他の設備の配管でも検討する機会があるかもしれませんね。
実績を積み重ねて、安心して使用できることがもっと周知されるように、期待しています。はじめにプラントハイパーBKを弊社に紹介してもらった時は、まだ今回の工事計画がありませんでしたから、使用機会はありませんでした。でも今回、タイミングよく知るきっかけがあったから、採用の検討をして、メリットが大きいと知ることができたんです。
自ら情報を探すことももちろんありますが、積水さんは営業の方が直接訪ねてくれて話を聞かせてくれるから、よく理解もできます。製品の良さがしっかりと伝われば採用もどんどん増えていくと思います。
———今後とも、工場の安全・安定操業に貢献できる製品をご提案できるよう努めて参ります。
本日はお忙しいところお時間をいただき、ありがとうございました。
Products
今回ご紹介させていただいた製品
プラント用耐震型高性能ポリエチレン管・継手
プラントハイパーBK
製品解説———
水道用配管で高い実績を持つ高性能ポリエチレン管が、工業用水・廃液・薬液用配管にもご使用いただけるようになりました。柔軟性・可とう性に優れ、また融着接合による一体管路によって信頼性の高い耐震管路が構築できます。NETIS(新技術情報登録システム)に登録されています。
技術名称: 屋外露出配管用高性能ポリエチレン管(プラントハイパーBK)
登録番号: CB-200004-A
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1.耐震性
柔軟性・可とう性に優れ、また融着接合による一体管路によって信頼性の高い耐震管路が構築できます。
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2.施工性
薄肉化、軽量化を実現。軽量のため運搬や取扱いが容易です。
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3.耐薬品性
ポリエチレン樹脂は化学的に安定した材料で酸やアルカリに強くサビや腐食も発生しません。
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4.高耐候性
(黒色)により屋外配管が可能です。ポリエチレン管(青色)に比べ、大幅に耐候性を向上しています。(スーパーUVテスターで照射後試験実施)
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