FCUヘッダー配管にスーパーエスロメタックスFC
(大阪ガス「hu+gMUSEUM(ハグミュージアム)」)
印刷版PDF(会員限定)大阪ガスの食と住まいの情報発信拠点「hu+gMUSEUM」建設に保温材付金属強化ポリエチレン管「スーパーエスロメタックスFC」
大阪ガスの情報発信拠点「hu+gMUSEUM(ハグミュージアム)」(大阪市西区千代崎3丁目)の空調設備配管に保温材付金属強化ポリエチレン管「エスロンスーパーエスロメタックスFC」が採用され、ヘッダー工法で施工されたと伺い京セラドーム大阪に隣接する現場を訪問。竹中工務店大阪本店設備担当の大田智紀さん、新日本空調大阪支店技術部の井手元卓馬さんのお二人にお話をうかがった。
柱に沿って立て管、そこからスーパーエスロメタックスFC でヘッダー配管
大田さん ハグミュージアムは2012年12月に着工し、2014年11月に竣工した地上5階(高さ約34m)鉄骨造の建物で、その延床面積は10,148.55m2(敷地面積3,866.85m2、建築面積2,953.98m2)。ちょっと先の豊かな暮らしを、見て、触れて、味わって、体感できるショールームとして2015年1月末にグランドオープンし、大盛況と聞いています。
大田さん 2階から3階にかけて吹き抜けのスペースがあるなど、階層によって台数が異なりますが、全館でいえば8系統162台のファンコイルユニット(以下FCUと表記)を設置しました。
- 空調設備の工事期間は?
- 大田さん 2014年4月から配管施工を開始し、8月半ばにFCUの設置を完了。試運転を経て11月の竣工引き渡しを済ませることができました。
- 柱廻りに空調用の立て管?
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大田さん 柱に沿ってあげた立て管(SGP管)と柱周辺の天井部に取り付けたヘッダーをつなぎ、そのヘッダーからFCUまでを“放射状”に配管しています。このヘッダー配管が、この作業所における空調配管の特色といえます。
工期短縮をめざしスーパーエスロメタックスFC を採用
- その8系統162台のFCU とヘッダー間の配管に保温材付金属強化ポリエチレン管「エスロンスーパーエスロメタックスFC」を使っていただいたわけですが、これは設計にあったのでしょうか? 空調施工を担当なさった新日本空調の井手元さんからお話しください。
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井手元さん 元々の設計はSGP管を用いたリバースリターン方式というものでした。 ただ、この現場での工期と建物の型から考えると、スーパーエスロメタックスFCを主軸にしたヘッダー配管方式はどうかとご提案し、竹中工務店さんのご理解を得て建築主様や設計事務所様に設計変更を働きかけました。
- その結果、設計変更が認められてスーパーエスロメタックスFCによるヘッダー配管が採用されることに。
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井手元さん そうです。工期を勘案しての提案だったのですが、柱廻りに冷暖房用の立て管を設けるためには当然その設置スペースを確保しなければならず、その配管スペース、またヘッダー廻りの点検口設置について大阪ガス様のご理解を得られたことが、この現場の柱を起点とした空調配管実現につながったものと感謝しています。
- 工期短縮がスーパーエスロメタックスFC によるヘッダー配管採用の理由ということですが、試算などなさいましたでしょうか?
- 井手元さん まだ検証などはしていませんが、確実に保温工数は削減できたはずですから、スーパーエスロメタックスFCによるヘッダー配管の採用が工期短縮に役立ったことは間違いありません。
- 井手元さんは、この現場で初めてスーパーエスロメタックスFCを採用なさったとのことですが、なぜスーパーエスロメタックスFCを?
- 井手元さん 従来工法では枝管に手間がかかり、工期が限られたこの現場には馴染まなかったし、スーパーエスロメタックスFCの施工性の良さは病院の改修工事などで確認できていましたし、竹中工務店さんの中でも、FCUと配管の接続部などにスーパーエスロメタックスFCを採用した施工実績が多いということも大きな要因でした。
- 今回の採用について大田さんはどのように?
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大田さん 近年の専門工・作業員不足の中で、竹中工務店では生産性向上・省人化につながる材料・工法の検討を行っており、その取り組みの一つとして、スーパーエスロメタックスFCを使っています。この作業所の空調ドレン用配管に用いた結露防止層付のエスロンAC ドレンパイプや排水管としてのエスロン耐火VP パイプ。また消火管として採用したエスロハイパーなども同様の考え方に沿ったものです。
FCU162 台、8,800m のヘッダー配管を問題なく完了
- この現場でお使いいただいたスーパーエスロメタックスFC の呼び径やヘッダーの配置などについて、もう少し詳しく井手元さんからお話しいただきたいのですが。
- 井手元さん この現場用にこしらえたのは7 口のヘッダーで、そのうちの6つの口を使い、1つは予備。そのヘッダーを1区画について4つ(往・還・冷水・温水)設置し、ヘッダーとFCU の間を冷水用の呼び径20mm(保温材厚25mm)、温水用の呼び径16mm(保温材厚10mm)でつないでいます。
- 柱からFCU に向かって放射状に配管が伸びているかたちですが、そのような配管になさったのは? またFCU162 台分のヘッダー配管すべてを合わせたスーパーエスロメタックスFC の長さは?
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井手元さん この現場では、壁沿いのSGP管からつなぐと途中で継手を使わなければならない場所があり、また、総配管長が長く施工効率が下がることが考えられました。ですが、ヘッダーの位置を柱廻りにすると、すべての配管をスーパーエスロメタックスFC一巻き(定尺25m)の長さ以内に納めることができたのです。
FCU162台分の長さは、施工図から拾った数字で約8,800mになります。
- 162台、8,800m のヘッダー配管。 その感想を大田さんにお尋ねしたいのですが。
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大田さん 仮試験としてヘッダーごとに気密テスト(0.4MPa)を行いながら施工し、最終水圧試験(1.0MPa)を行い試運転調整においてもすべての段階で問題なく、無事竣工を迎えることができました。作業所で施工にあたった方の話でも、形状保持機能があるスーパーエスロメタックスは配管長さの関係で施工が難しいところでもぴったりと納めることができるなど、他の管にくらべて施工し易いと評判が良かったと思います。
- 最後に、スーパーエスロメタックスFC によるヘッダー配管への設計変更をご提案いただいた井手元さんに感想また総評的なお話をお聞きしたいのですが。
- 井手元さん ご承知のとおり設計変更を提案し実現するためには各種のデータや説明資料をとりまとめ、何度も話し合いを重ねるなど、想像以上のエネルギーが必要になります。設計図通りに施工すれば、これらの苦労はしなくてもいいのですが、新しい材料、システムなどをご提案し使っていただきたい現場があるのも事実です。この現場では、他管種との比較の中でスーパーエスロメタックスFCの採用を認めていただき、お客様にも期待されていた工期短縮の成果は十分に証明できたと思いますし、さっそく他現場で同方式をベースにエスロメタックスを採用されたと聞いていますので、お客様からの信頼も得られたのではないかと思います。
ありがとうございました。これからも保温材付金属強化ポリエチレン管「エスロンスーパーエスロメタックスFC」をよろしくお願いいたします。
今回ご紹介させていただいた製品概要
<保温材付>金属強化ポリエチレン管 エスロン スーパーエスロメタックスFC
金属強化ポリエチレン管に保温材をプラスしたエスロンスーパーエスロメタックスFC は、軽量で柔軟な曲げ加工性と優れた耐食性を発揮。呼び径50までのサイズアップにより、冷温水本管からファンコイルユニットまでのトータル配管が可能です。
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