埼玉県熊谷市 市立中学校のトイレ排水管改修に
耐火VPパイプが採用されました
印刷版PDF(会員限定)熊谷市で進められる市立中学校の改修工事。
トイレの排水管改修に、積水化学の耐火VPパイプが採用されました。綺麗に生まれ変わったトイレに積水化学の技術がどのように貢献したのか、株式会社マツモト設備 佐藤工事次長にお伺いしました。
インタビュー:2019年9月3日
株式会社マツモト設備 工事次長 佐藤 祐一さん
工事のあらまし
全国的に公立学校施設における老朽化対策の必要性が高まっているなか、埼玉県北部に位置する熊谷市も例外ではなく、市立小中学校の施設改修が進められています。
トイレは、学校生活に無くてはならないもの。老朽化したトイレの使用に抵抗感を持つ生徒も少なくありません。綺麗に改修されることで気持ちよく使用でき、学習環境向上にも効果があると言われています。
今回、中学校のトイレ排水管改修に積水化学の耐火性硬質ポリ塩化ビニル管「耐火VPパイプ」が採用されました。
発注者 :熊谷市
設備工事 :株式会社マツモト設備
株式会社マツモト設備 佐藤工事次長
耐火VPパイプでトイレ排水管をリニューアル!
- マツモト設備様ではどのような工事を主にされているのですか?
- 学校のような公共施設だけでなく、民間の工事も請け負っています。公共と民間の割合は4:6くらいです。
公共施設では、今回のような学校のほか、公共の直売所など、民間の工事では工場や老人ホーム、スーパーマーケットなどでも設備工事を請け負っています。 給排水衛生設備だけでなく、空調設備、消火設備なども含め、総合設備工事をやらせていただいています。
- 今回の工事の概要を教えてください。
- 老朽化した中学校のトイレの改修設備工事を行っています。三棟ある校舎すべてで工事を行っており、現在は一棟が完了し二棟目を工事中です。夏休み中から工事を開始して、11月にすべての工期が完了する予定です。
排水設備の改修といっても、パイプだけを新しく取り替えることはできません。まず、蛇口や便器などの器具を取り払って、既存の壁、天井、配管、床をすべて撤去してから、逆の手順で作り上げていきます。 配管だけでなく、トイレ全体をリニューアルする工事です。
- 耐火VPパイプはどのような経緯で採用されたのでしょうか?
- 実は、設計段階では耐火二層管を使用する予定だったんです。ですが、以前から耐火VPパイプを使用する機会があって、施工性などのメリットをよく知っていたので、熊谷市の担当者の方に変更を提案して、採用していただきました。
私が初めて耐火VPパイプを使用したのは5年ほど前になります。それまでは排水管には耐火二層管を主に使用していましたが、耐火VPパイプを使い始めてからは一度も使用していないですね。
- 管種変更の提案はどのようにされるのですか?
-
工事では、設計図を元にして施工図を作成します。実際の工事は、設計図通りにはいきません。現場の状況に合わせて実際に作業をどのように進めるのかを検討するために作成するのが、施工図です。 このとき、管種についてもより良い選択肢があれば検討し、提案します。施主様に自分で使った実績を紹介したり、性能を説明したりして、ご理解いただいたうえで、採用していただきます。 ここ数年で公共の担当者様にも耐火VPパイプが知られるようになっていて、スムーズに採用されることが増えましたよ。
やっぱり、より良いと思う製品があれば進んで採用したいですし、施主様にとってもそれは同じです。
- 耐火VPパイプを使用するメリットは?
- 作業者の負担減に大きく貢献していると思います。
まず、耐火VPパイプをはじめ、樹脂管は軽量で取り扱いやすい。天井配管や吊り配管では、パイプを持ち上げなければなりません。耐火二層管と比べて重量は半分以下ですから、作業の負担が軽くなって非常に助かります。
軽量であることは、作業者だけでなく建物の負担を減らすことにもなります。今回のような改修工事では配管だけでなく壁や床も作り直しますが、その際軽量化も図っているんです。建物の負担を減らすことができれば、 長寿命化にもつながって長く安全に使用することができますから。
それから、耐火VPパイプと比べると、耐火二層管はモルタルで被覆しているので、切った時に粉塵が多く出るんです。作業者もマスクをしなければならないし、ごみの処理に手間がかかります。 学校は多くの人、特に子供たちが利用する施設ですから、工事中でも快適に過ごしてもらえるように心がけています。夏休みで授業が無くても、部活動がありますし、 大会が行われる場合には親御さんなどもっと多くの来校者がいらっしゃいます。周辺環境への影響の面でも耐火VPパイプは優れていると思います。
- 他にも学校での工事で特に気を付けているポイントはありますか?
- 授業の無い休暇期間に集中的に工事を行うことが多いので、いつも時間との闘いです。工期を短縮するためにどんな工夫ができるかをいつも心がけています。
施工のしやすさは、工期短縮に直結する大きなポイントです。
耐火VPパイプは軽くて扱いやすく、VP管と同じように施工でき、保温もいらない。非常にラクです。工事ではパイプを切ったり、継手を取り付けたりという作業を何度も繰り返し行います。 施工性のおかげで作業時間が短くなれば、積もり積もって大きな差になってきます。
- 改修が完了しているトイレも見せていただきました。とても綺麗になっていて、子供たちも喜ぶのではないでしょうか。
-
そう言ってもらえるのが一番うれしいですね。
利用する方、施主様、作業者、受注する私たちのどの立場からもより良い工事ができるように心がけていますから。
- 耐火VPパイプについて今後のご要望があれば教えてください。
- セキスイさんには、普及活動を頑張っていただきたいですね。
現在は埼玉県の仕様書でも使用が認められ、以前よりも知名度が上がって採用されやすくなりましたが、自治体によっては独自の仕様を定めていて、耐火VPパイプは使えないこともあります。
また、流通の面でも普及は課題だと思います。夏休みの改修工事なので、お盆期間にも工事は進んでいます。販売会社さんは休みになってしまうので、資材の調達ができない。 そういう時に助かるのがお盆も営業している小売店なのですが、耐火VPパイプは品揃えしていないことが多いんです。扱っているお店まで遠出しなければならない。
それから、継手のラインアップも拡大してもらえるとうれしいです。例えばSソケットなど、耐火二層管にはあっても耐火VPパイプには無い特殊な継手が揃うと良いですね。
性能以外の面でも使いやすさがもっと充実すれば、さらに採用が広がっていくと思います。一度使ってみれば良さが実感できますから。
貴重なご意見をありがとうございます。さらなる普及拡大に努め、より良い製品をお届けできるようにいたします。本日は長時間にわたりお話しいただきありがとうございました。
今回ご紹介させていただいた製品
製品解説
積水化学の開発した耐火テクノロジーにより塩ビ管がさらに進化!
熱によりパイプの中間層が膨張し、貫通部からの熱気の浸入を遮断。火災の際の延焼を防止します。
排水管・通気管の施工において従来、手間のかかっていた区画貫通処理も不要。
スピーディな施工と確かな安心を実現する耐火VPパイプは適用範囲を広げ、さらに使いやすくなりました。
プラスチックのパイオニア、エスロンパイプはこれからも進化し続けます。
特長
- ●耐火DV継手は耐火VPパイプとの組み合わせで確実に延焼を防止。
- ●従来の塩ビ管と同等の取り扱いが可能。
- ●防火区画の貫通がパイプだけで可能。
これ以降は会員の方のみご利用いただけます
会員登録済みの方
未登録の方