篠原電機株式会社

AI時代の一翼を担う、コンテナデータセンターの防音に
カルムーンシートが活躍!

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Introduction

篠原電機株式会社は1961年の創業以来、盤用パーツをはじめ、データセンター、鉄道、ガス検知器、新エネルギーなど時代のニーズを捉えた新しい分野に幅広く事業を展開しているメーカです。
最近は生成AIを目的としたコンテナ型データセンターのニーズが急激に増えています。
今回は某所に設置したコンテナ型データセンター向けヒートパイプ熱交換器『楽COOL(ラククール)』に防音対策のためカルムーンシートをご採用いただきました。
採用までの経緯や使用した感想などを設計・現場対応をした篠原電機の見須様にお伺いいたしました。

インタビュー : 2024年6月27日

Guest

篠原電機株式会社 都島ITソリューションセンター

ITソリューション開発部 見須 秀夫 様

Interview

ダクトのビビリ音をカルムーンで防音

———最初に篠原電機様について教えてください

見須様 : 篠原電機のメインビジネスとしてはキュービクル、分電盤、制御盤などに使用される盤関連パーツを扱っています。窓枠、ギャラリー、スペースヒーター、絶縁支持物など、盤設計に欠かせない部材を製造・販売しているメーカです。盤メーカ様をはじめ、多くのお客様に当社製品を使用いただいており、半導体関係や鉄道関係やインフラ関係など様々な業種のお客様にもご使用いただいております。
元々、私は盤部材の開発部でハード設計を担当していましたが、約10年前にデータセンター関連の仕事が増えてきたためデータセンター事業が立ち上がりました。私はITソリューション開発部というデータセンター関係の部署で設計業務をしており、提案・見積り・設計・現場施工まで責任をもって対応をしております。
近年はデータセンターの需要が高まっており3年以上先までデータセンターの建築が間に合わないことから、コンテナ型データセンターのお問い合わせが増えている状況です。

篠原電機株式会社 見須 秀夫様
篠原電機株式会社
見須 秀夫 様
———コンテナ型データセンターについて教えてください
見須様 : 初めてコンテナ型データセンターを設置したのは10年くらい前です。その時は需要が少なかったのですが、仮想通貨が注目されてマイニングの需要が増えてきました。ここ最近は生成AI用のGPUサーバーを稼働させるためのコンテナ型データセンターを作りたいとの需要が急激に増えています。
GPUサーバーとは大量のデータを高速に処理できる機器で、AI(人工知能)やVR(バーチャルリアリティ)の需要増に伴って、大規模データの高速処理が求められています。そのような引き合いは全国にあります。さらに病院などの施設でも増大する写真やカルテのデータ保管用としてコンテナ型データセンターの需要もあります。
コンテナ型データセンターは建物を一から建てるよりも、空いた土地を活用することで短期間でデータセンターを運用開始することができます。
引き合いが増えた要因としては、スーパーゼネコンがキャパオーバーで大規模データセンターを建設できないという事情があります。しかし、短期間でデータセンターを運用させたいというエンドユーザー様の要望が大きいため、コンテナ型データセンターの需要が増えています。
———現場は全国にあるのですか?

見須様 : 全国にあります。空いている土地は地方の方が多いです。また、太陽光発電や風力発電の電力を使用してコンテナ型データセンターを運用する案件も多いです。
お客様にご満足いただけるようにお客様目線で提案を行い、引渡しをするまでしっかり対応するようにしています。

———今回の現場でのカルムーンシートの使用場所についてお聞かせください

見須様 : カルムーンシートを使用したのはヒートパイプ熱交換器『楽COOL(ラククール)』という自社製品空調機です。サーバーの発熱を冷却するための省エネ空調機システムです。
コンテナと接続する空調ダクトの振動音を軽減するためにカルムーンシートを使用しました。

設置したコンテナ型データセンターは地域の類型に該当する騒音はクリアしていましたが、一番厳しい騒音基準の要求があり、約5db低減させる対策が必要になりました。
深夜に周波数帯を分析した結果、低周波を取り除くことができれば騒音基準値をクリアできると判断。コンテナと楽COOLを繋ぐ空調ダクトのビビリ音が影響していると推測いたしました。
まずは簡易的に空調ダクトの前にベニヤ板を立てて騒音を測定しましたが1db程度しか除くことができませんでした。上司からアドバイスをいただき、様々な騒音対策の部材を探してみました。
そんな中、積水化学製の制振シート『カルムーンシート』のカタログ内に、空調ダクトにカルムーンシート施工前と施工後で5db低減した効果が記載されていることに目が留まりました。メーカ窓口が大阪だったこともあってすぐに連絡を取ってサンプルを持参していただき、実績や施工例などについて説明をしてくださり、価格や入手性も問題ないことから採用に至りました。もちろん営業担当者の対応の良さも決め手でした。
とは言え、カルムーンシートを使用するのは初めてでしたし、本当に騒音を低減することができるのか不安でした。しかも、運用中のデータセンターを停止することは許されませんので、設置済みのダクトの外側から対策を行えるカルムーンシート以外に方法はありませんでした。

『楽COOL』外観
(奥側よりコンテナへ接続)

カルムーンシートには種類があってどの製品が最適なのか悩んだ末、鋼板とポリエチレン樹脂の層からなる一般タイプのものを選定いたしました。
施工に際してはカルムーンシートの粘着力は強いためズレないように治具を用意して行いました。貼るだけの簡単施工ですが粘着が強力なため一度貼ると剥がせないのですが、ダクトと密着させることで制振効果が発揮する。それもカルムーンシートの制振コア技術なのだと思います。
空調ダクトは複雑な形状をしていましたが形状に合わせて簡単にカットができたのもカルムーンシートを採用した理由のひとつです。屋外で使用するためカルムーンシートの周囲にメーカ推奨のガラスクロス入りのアルミテープで施工いたしました。設置のノウハウも営業の太田さんから教えていただきました。
おかげで見事にダクトのビビリ音を抑えることができ、騒音を5db低減することができました。

コンテナ型データセンターとヒートパイプ熱交換器『楽COOL』の設置イメージ
———コンテナ型データセンターに空調設備が必要な理由をお聞かせください

見須様 : コンテナ内のサーバーラックに実装されているサーバーは絶えず大量のデータを処理しているため発熱を伴います。空調がなければ60℃を超える室内環境になってしまいます。そうなりますと熱によりサーバーが停止してしまいます。この熱を弊社製『楽COOL』空調機で熱処理を行い、冷たい空気をコンテナ内に送り込む必要があります。
カルムーンシートを使用した空調ダクトは排熱により温まった空気を楽COOLに送るためと、楽COOLで冷たくした空気をコンテナに送る通り道です。

カルムーンシートの施工状況

施工前
施工後
———規模によってはコンテナをいくつも並べたりするのですか
そういう場合もありますし、コンテナを連結してプレハブ小屋のようにする場合もあります。用途によってコンテナの規模や要求条件は違いますので、すべてお客様の意向・要望に合わせて設計・提案しています。
———どのような情報の中から、カルムーンシートを選ばれたのでしょうか

見須様 : 以前から騒音対策に関して調査をしていました。いくつか候補がある中で最初はグラスウールを使用する方法やクッションのような吸音材やカルムーンシートのような制振材など、あらゆる製品を検討していました。今回の場合は制振製品で振動を抑えるのが効果的だろうと思い、カルムーンシートを有力な候補といたしました。面積が大きく貼れるのも魅力的でしたし、どの周波数帯に効果があるのかという技術的データが揃っていたのがありがたかったです。

空調ダクトの外側にグラスウールを貼ると、大きくなることとラッキングが必要になるため非常に手間がかかります。
さらにグラスウールでは低周波帯は抑えることができないのではという懸念もありました。グラスウールはどちらかといえば中・高音域の吸音性に優れています。実際にダクトを手で触ると震えていて振動を感じました。これを抑えるしかないと思いカルムーンシートを使ってみようと考えました。
近くに住宅等があると、騒音規定値をクリアしていたとしても住民の方にうるさいと言われたらアウトなのです。今まで空き地だったところに大きな設備ができると私でも気になります。安眠妨害だとクレームが出ますと迷惑を掛けてしまうことになります。

実際のところ音は人によって感じ方が違いますし、音は目では見えないので本当に難しい課題です。どういう風に音が漏れるのかわからないです。上方向にも音は広がっていきますのでマンションやアパートの上層階の方が騒音を気にするということもあります。本当にこの騒音問題は厄介だと思います。
今後もカルムーンシートは有効な手段として考えています。ダクトは大きくなればなるほど振動が起きやすくなります。そういう時ははじめからカルムーンシートを貼っておくことも必要だと考えています。

———カルムーンシートに対する要望はありますか

見須様 : 外に貼る場合は色を選ぶことができるといいですね。白系や黒系やクリーム系、ツヤあり、ツヤなしなど。
また、今回は屋外でしたのでカルムーンシートの周囲にガラスクロス入りのアルミテープを周囲に貼りましたが、その施工をしなくても防水機能を確保したカルムーンシートがあると施工の手間が省けて嬉しいです。
アルミテープを貼るのは粘着剤が雨や紫外線で劣化してしまうということでしょうか。

積水化学 太田 : 雨風で剥がれるかどうか10年相当の確認試験は行っています。その上でどちらがより安全なのかを考え、アルミテープを推奨させていただいています。アルミテープなしという選択肢もあります。

見須様 : そうなのですね。今回は屋根がありましたが横から雨が当たる場合があるのでアルミテープを貼りました。
腕のいい職人さんがいればカルムーンシートの周囲をコーキングした方が施工性が良い場合があるかもしれませんね。
今回のコンテナ型データセンターの現場では積水さんのポリエチレン管エスロハイパーAWをコンテナの冷却配管用に使用いたしました。 ポリエチレン管を電気で融着して接続する方法をはじめて拝見いたしました。誰でも施工ができますし、ポリエチレン管は鉄粉が出ませんので空調機やポンプ内に入る心配がありません。また、割れることがないのでブライン液でも安心して使用することができます。今後のデータセンターで主流になっていく部材だと感じました。

冷却配管に使用されたエスロハイパーAW①
冷却配管に使用されたエスロハイパーAW①
冷却配管に使用されたエスロハイパーAW②
冷却配管に使用されたエスロハイパーAW②

ありがとうございます。ポリエチレン管のエスロハイパーAWまで注目していただいて嬉しい限りです。これからもコンテナデータセンターの設置に積水化学製品が貢献できるよう提案していきますので、よろしくお願いいたします。

<営業担当から一言>

機能材事業部
機能材営業部
水処理・耐食グループ
太田 肇

篠原電機の見須様には現場レポート取材へのご協力をいただき、ありがとうございました。
カルムーンシートを採用いただいた実現場の課題から採用経緯、対策と効果検証、採用製品や採用箇所、篠原電機様のコンテナデータセンターの特長等、興味深い話を聞かせていただきました。
エスロハイパーAWまで採用いただいているということもインタビュー時に初めて知り、驚きとともに評価いただいていることを大変嬉しく思います。
この度は、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

Products

今回ご紹介させていただいた製品

高性能不燃制振材 カルムーンシート

製品解説

カルムーンシートは素材開発のパイオニアであるセキスイが開発した貼り合わせタイプの拘束型制振シートです。
軽量、薄肉にもかかわらず、高い振動吸収性能を発現するカルムーンシートは、鉄道騒音をはじめとして、様々な分野の振動対策、騒音対策として使用されております。しかも樹脂自体に粘着性があるので、誰でも簡単に施工できます。

特長
  • 1.振動・騒音を軽減

    カルムーンシートは低周波から高周波まで周波数に依存することなく、優れた振動吸収性能を発揮します。

    高周波
    を低減
    低周波
    を低減
    共振の
    低 減
  • 2.カンタン&安全性能

    カルムーンシートは薄く従来品より軽量なため、取扱いがとてもカンタン。特に高所作業での安全性・作業性に優れています。

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