埼⽟県営しらこばと公園 ⽼朽化した
プール給⽔管改修にエスロハイパーAW採⽤︕
印刷版PDF(会員限定)Introduction
しらこばと公園は埼玉県越谷市、さいたま市にまたがる県営のレジャープール公園です。県鳥に指定されているシラコバトにちなんで名づけられ、総面積約11.8haのバリエーション豊かなプールが人気のスポットとなっているほか、夏季以外は釣り堀として利用され県民の憩いの場になっています。
昭和54年(1979年)に開園したしらこばと公園では老朽化した配管の改修計画が順次進められており、プールで使用するための水を送る給水管に、積水化学の高性能ポリエチレン管「エスロハイパーAW」が採用されました。過去にはプールからろ過施設への引込管に「エスロハイパーJW」も採用されています。
今回は工事を担当された株式会社埼玉ヤマトの山北様に、給水管改修工事でエスロハイパーAWが採用された経緯や施工のご感想を伺いました。
インタビュー : 2023年3⽉22日
Guest
株式会社埼⽟ヤマト ⼯事部 部⻑代理 ⼭北 様
Interview
工事実績が認められ二度目の採用
信頼を積み重ねるエスロハイパー
- –––––今回の工事の概要を教えてください
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山北様 : 今回の⼯事名は「22しらこばと公園給⽔設備ほか改修⼯事」です。しらこばと公園には県内でも有数のレジャープールがあり、そのための給⽔設備を更新しました。プールに使⽤する⽔はまず園内の50t受⽔槽と300t受⽔槽で⽣活⽤⽔、⽔張り⽤⽔として市⽔をたくわえ、給⽔加圧ポンプユニットで各トイレ、プールへ給⽔しています。
今回の⼯事では50tと300tの2つある受⽔槽のうちの300t受⽔槽を⼊れ替え、量⽔器から受⽔槽、圧送ポンプへと⽔を運ぶ配管を更新しました。埋設配管にエスロハイパーAWを使⽤していて、量⽔器から受⽔槽までは呼び径150、受⽔槽からポンプまでは呼び径200で配管しました。延べ⻑さは合計で100mほどです。
⼯期は2022年の8⽉からですがプールが8⽉31⽇まで営業していたので、準備や下⾒を進めて10⽉から掘削を始めました。現在はほぼ⼯事は完了していて、試運転の準備をしている段階です。
- –––––工事期間中に気を付けていたことはありますか?
- 山北様:公園を利⽤される⽅の安全確保には気を遣っていました。しらこばと公園のプールは夏季以外には釣り堀として営業していますし、園内には広場や遊具エリアもありますから、多くの⽅がいらっしゃいます。特にお⼦さんが元気に⾛り回っていることが多いので、間違って⼯事現場に⼊って掘削部に落ちたりでもしたら⼤変です。あまり広い範囲で⼯事しているとそれだけ⽬も届きにくくなりますから、⼀⽇につき直管で2本、10mずつ配管を進めていきました。幸い⼯期は⼗分あったので、無理なく⼯事を進められました。
- –––––既設管はどのような状況だったのですか?
- 山北様 : 既設配管は公園が開設された昭和54年(1979年)当時に敷設されたSGP、いわゆる⽩ガス管です。まだライニング鋼管も広まっていない時代ですからね。設置から40年以上が経ち、経年劣化で漏⽔が発⽣していたようです。そのため全⾯的に更新することになったのだと思います。
- –––––今回の給水管改修でエスロハイパーAWが採用された理由はなんでしょうか?
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エスロハイパーAWを使⽤することは設計の段階で決まっていたので詳細は分かりかねますが、やはりポリエチレン管ならではのEF接合により管と継⼿が⼀体化することで漏れがなく、地震にも強いという実績があることが⼀番の理由ではないでしょうか。過去の現場レポートを⾒せてもらいましたが、2017年にもしらこばと公園の⼯事でSGPからの更新にエスロハイパーJWが採⽤されていましたね。その実例もあり県の担当者の⽅にも積⽔化学さんの管材が信頼されているのだと思います。
私⾃⾝も他の現場でエスロハイパーAWを何度も使⽤した経験があり、⼤きく信頼を置いています。住宅やオフィスビル、公共施設などの様々な現場で採⽤されていますし、施⼯を担当する職⼈さんたちも融着機を使⽤したEF接合にすっかり慣れていますから、給⽔管として広く普及している印象がありますね。
- –––––エスロハイパーAWの施工性に関するメリットについても教えてください
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山北様 : 鋼管に対する最も⼤きなメリットはやはり軽量であることでしょう。呼び径200の鋼管はクレーンなどで吊らなければ運べませんが、樹脂管なら同じサイズでも⼈の⼿で⼗分扱えますからね。
加⼯が簡単であることもうれしいポイントです。もしも現場で管の⼨法が合わないとなったら、エスロハイパーAWの場合はその場で加⼯することができます。
鋼管のねじ切りでは⼀度作業場に戻って切り直さないといけません。
それに融着接合ですと、融着と冷却が終わったらすぐに通⽔できるのもいいところです。鋼管のねじ接合や塩ビ管の接着接合では管内⾯に残った油分や接着剤を洗い流すためにフラッシングにかなり時間がかかってしまいますから。スムーズに次の⼯程に移ることができるのは施⼯時間短縮に助かっています。今回は2名の職⼈さんで施⼯にあたってもらったのですが、少ない⼈数でも問題なく⼯事を進めることができました。
- –––––エスロハイパーAWについて要望などはございますか?
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山北様 : もう少し⼩回りの利く継⼿の品揃えが増えると、配管の⾃由度が上がって⾮常にありがたいですね。
今回の⼯事では、既設管の位置を正確に把握することが困難でした。公園が開設されたのが40年以上前ということもあり、当時の図⾯を確認して掘削してもあるはずのところに配管されていないこともありました。そのため地中の既設管の間を縫うように配管しなければなりませんでした。今回施⼯した呼び径150や200の⼤⼝径では45度や90度のエルボがラインアップに無いのでベンドを使⽤したのですが、直管部分が⻑いため⼤回りになってしまい、上⼿く納まるようにするのが⼤変でした。私⾃⾝⼤⼝径のエスロハイパーAWを使⽤するのは初めてでしたが、ニーズは確実にあると思うので期待しています。
もう⼀つ、これも⼤⼝径だから苦労したことなのですが、呼び径200ともなると⼿のこでは切断することができないですよね。ハイパーソーを使⽤したのですが、初めてなのでそれが分かっておらず前もって準備ができていませんでした。⼤きなサイズの場合はEF接合⽤の機器をレンタルするときにハイパーソーも基本セットにしてもらえるとわかりやすいと思います。
- –––––貴重なご意見をいただきありがとうございます。施工性向上のためより良い製品やサービスが提供できるよう努めてまいります。
- 山北様 : 積水化学さんにはいつもお世話になっているので、期待しています。今回のエスロハイパーAWはもちろん、耐火VPパイプや耐火プラAD継手、ACドレンパイプなども使用する機会は多いですし、「こんな現場に適した製品はないか」といった相談も気軽にできるので頼りにしています。より良い工事のご提案をするためにも、製品の情報は知っておく必要がありますから。
千葉ソリューションセンターでは性能試験や施工実演など、実際にこの目で見て製品性能を体感できると営業の方に聞いたので、興味が湧きました。機会があれば見学してみたいですね。
–––––是非ともお越しいただき、デモンストレーションや展示をご覧になってください。本日はお時間をいただきありがとうございました。
Products
今回ご紹介させていただいた製品
水道用耐震型高性能ポリエチレン管 エスロハイパーAW
製品解説–––––
現在使用されている建物給水管の中で、住戸内配管は架橋ポリエチレン管(エスロペックス)、水道本管、敷地内埋設管、給水横主管は高性能ポリエチレン管(エスロハイパーAW)を使用しておりますが、防火区画貫通に関する法規制や長年の実績などから金属管が多く使用されております。エスロハイパーAWは建物給水管として開発・実用化を検討するに当たっては「独立行政法人都市再生機構」様と「建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会」との共同研究として、様々な実験検証を行なってまいりました。
その結果、信頼性や施工性・コスト的にも優れた新しい給水システムを実現する事ができました。敷地内埋設配管からピット内横引き管、給水立て管、メーター部まで、高い信頼性を有しオール樹脂管路が構築できる【エスロハイパーAW】をぜひご検討下さい。
ポリエチレン管の採用で 錆びなし!漏れなし!
■ 錆びることのない高性能ポリエチレン(PE100)を使用。赤水の心配なし!
■ 酸・アルカリに強く腐食性土壌や海岸付近の塩害地域でも腐食の発生なし!
■ 電気絶縁性にも優れ、鉄道付近でも電食の心配なし!
埋設配管で実績をつんだ 水道用耐震型高性能ポリエチレン管 を採用
■ 管体独自の可とう性とEF接合により地震に強い一体管路を構築。
■ エスロハイパーAW「免震継手」登場で、免震構造の建物にも対応。
■ 埋設配管(エスロハイパーAW)では、2003年宮城県北部地震、
2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震、2011年東北地方太平洋沖地震※、2016年熊本地震で被害件数がゼロ。
※津波被害は除く。
信頼のEF接合、軽量・柔軟な管材、保温レス可能により トータルコスト削減
■ 信頼性が高く熟練不要のEF接合により、スピーディな施工が可能。
■ 軽量かつ柔軟なポリエチレン管により、施工性が大幅アップ。
■ ねじ切りや接着が不要。改修工事でもシール材・油・接着剤で現場を汚しません。
これ以降は会員の方のみご利用いただけます
会員登録済みの方
未登録の方
<営業担当から一言>
埼⽟ヤマト ⼭北様、この度は現場レポートにご協⼒いただきありがとうございました。またエスロハイパーAWをご採⽤いただきまして誠にありがとうございます。
今回は⼝径200のサイズであり、鋼管より軽量で易施⼯ができる点をご理解していただき⼤変感謝しております。EF接合にも慣れてきているという話をいただき、普及してきている状況をうれしく思います。
今後も積⽔商品をご愛顧賜りますよう宜しくお願い致します。
東⽇本セキスイ商事(株)
関東営業所 所⻑
⼩野寺 陽