山口県周南市でエスロハイパーAW(埋設/立て管)と
耐火プラAD継手ご採用!
印刷版PDF(会員限定)Introduction
2003年4月、徳山市など2市2町が合併して誕生した周南市。海には瀬戸内の小島と広大なコンビナートが広がる、この周南市の公営住宅建替工事にエスロハイパーAW(給水管)と耐火プラAD継手(排水管)が採用され、公営住宅の長寿命化、ライフサイクルコスト低減が求められる時代にふさわしい現場の一つとなりました。
3月入居を間近に控えて外構工事が進む周南第1住宅CDE棟・集会所建築工事(周南市瀬戸見町)の現場を訪ね、機械設備工事を施工された福本工業株式会社(周南市桜馬場通)の山根清志副所長様に同現場の給排水設備についてお伺いしました。
インタビュー : 2023年2月16日(現場事務所にて)
Guest
福本工業株式会社 山根清志 様
Interview
建設コスト削減と長寿命化!後々までも安心な樹脂配管。
- –––––まずは、今回の工事で耐震型ポリエチレン管と耐火性硬質ポリ塩化ビニル管・継手を採用された経緯について教えてください。
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山根様 : 私どもが入札した周南市の付帯工事の図面にあったのです。耐久性の面で樹脂管なら後々まで安心ですし、この現場は是非とも福本工業でと思っていたところ、幸い機械設備工事を受注することができました。給水と排水の立て管に揃って樹脂管が採用されているのは公営住宅としては珍しく、画期的な現場になったのではと思います。積水化学さんの樹脂管材はこれまでも使用した経験があり信頼を置いているので、給水管にエスロハイパーAW、排水管にVP管と耐火プラAD継手を選択しました。
- –––––福本工業様では以前にエスロハイパーAWを使用されたことはありましたか?
- 山根様:当社ではこれまでにエスロハイパーAWを何度も使ってきたのですが、公営住宅の立て管は初めてでした。周南市では公営住宅の給水立て管にポリエチレン管を使用するのは初の事例ではないでしょうか。
ピットやシャフトBOX内で使ってみると、想像通り軽くて扱いやすく、ねじ加工の手間がないのでねじ切り機を持ち運ぶ必要もなく非常に楽でした。シャフトBOXでの作業はともかく、直線距離で50mほどあって幅も高さも限られたこの現場のピット配管を鋼管で施工していたら大変な作業になっていたと思います。
立て管からメーターまでは曲がりが多くありましたので、ある程度組んだものをシャフトボックス内に持ち込み、両端をメイン管とメーターBOXに融着することで作業効率を高めました。
- –––––今おっしゃられたプレハブ加工。積水化学でも別途お引き受けしておりますので、同じパターンが多い現場施工の際にはぜひご検討ください。他にエスロハイパーAWを施工なさってのご感想はございましたか?
- 山根様 : エスロハイパーAWで施工すると、地震に強く、錆びることもないし、フィブロックの一巻きで安全に防火区画貫通ができるのもいいですね。あと、製品に同梱されているポリエチレン管融着用のかんたんクランプ。これが実に良かった。汎用工具でカシメるだけで取り付けることができるし取り外す必要もない。
前にエスロハイパーAWで施工した際には、簡単クランプはφ20かφ25まで。それが今回はφ50まであって、大いに助かりました。
- –––––この現場のC棟、DE棟はRC造4階建の建物ですが、立て管は何系統あって何戸に給水されているのですか?
- 山根様 :C棟、DE棟それぞれに9系統の立て管があり、立て管ごと4戸に給水していますので、2棟合わせて72戸になります。
- –––––エスロハイパーAWはどのように配管されたのでしょうか?
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山根様 : 屋外の埋設管とピット内の配水用横引き管が75A。そこから枝をとっての立ち上がり管と立て管が50Aで、立て管から20Aで枝どりしてメーターBOXまで。
ですから先ほどのかんたんクランプが大活躍でしたよ。今回の現場ではピットから先の建物内のエスロハイパー配管すべてをかんたんクランプで施工することができました。
メーターボックスから先はメカニカル継手で部屋内まで入ってヘッダーに接続しています。ヘッダー以降は10mmか13mmの架橋ポリエチレン管です。
小さいところの継手の種類がもう少しあればヘッダーまでや外の水栓回りといったところもエスロハイパーで施工できたのですが。
- –––––設計段階ではエスロハイパーAWを使用される予定だったのですか?
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山根様 : この現場では、例えばゴミ置き場に外流しの水栓があるのですが、図面ではここもすべて20Aの樹脂管HPPEが使用されていました。ところが水栓回りの変換がうまくいかないものですから途中で管種を変えることにしたんです。継手があればエスロハイパーAWで完結できたのにと思います。
あと、継手のところがどうしても太くなるので、もうちょっとなんとかならないかと。
- –––––継手の部分が太くてお困りになられる場合、先ほどのプレハブ加工の一環として管と継手の端面と端面を直接融着するバット融着を行って出荷させていただくサービスも始めておりますので、ぜひご相談ください。
- 山根様 : そうですか。そういうサービスがあるのならエスロハイパーAWは一層使い勝手の良い管になりますね。
公営住宅の場合ですとメーターBOX回りはほとんど同じですから、今の継手のままでもある程度組んで持ってきてもらえるなら助かります。
- –––––建物排水についてもお話を伺わせてください。耐火プラAD継手とVP管はどのように配管されたのでしょうか?
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山根様 : 水回りの雑排水を65AのVPで受けて汚水管が75A。立て管は100AのVPで脚部継手が125A。ピット内のメイン管は150AのVPで配管しています。立て管の系統数や戸数は給水と同じで、9系統36戸ずつです。
給水とガス、電気のシャフトBOXとは別に倉庫を兼ねた排水管用シャフトBOXがあって、その中にVPの立て管があり、各階床貫通部に耐火プラAD継手を使用しています。
床貫通部では耐火プラAD継手と床の隙間をモルタルで充填する施工をしました。耐火プラAD継手は万が一の時は熱により膨張することで貫通部を塞いで延焼を防いでくれる。継手自体に耐火性能を持っているおかげで施工の手間が少ないから助かります。
- –––––耐火プラAD継手と鋳鉄製継手の違いはどのように感じますか?
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山根様 : なんと言っても軽いのがいいですね。先ほどのピットのような場所。まっすぐ立って歩けない高さで幅もないところを鋳物の脚部継手を持って運び、施工するとなると、それはもう大変。 コスト的にも一緒ぐらいならプラスチック製の方が断然いいですね。
- –––––今回お使いいただいた継手は耐火プラAD継手SGですか?
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そうです。耐火プラAD継手は初めてですが、前に県営住宅の工事で、あの緑のパイプのエスロン耐火VPパイプと耐火DV継手を使っていましたので迷うことなくエスロン耐火プラAD継手SGとVP管との組み合わせを選びました。
耐火プラAD継手SGなら、コストパフォーマンスの良いグレーのVP管を立て管や部屋内の配管に使うことができ、排水設備のイニシャルコストとランニングコスト抑制のお役に立てたものと思っております。
特に今回はエスロハイパーAWも使用しています。公営住宅の立て管が給排水ともに樹脂管という現場は全国的に見ても稀な事例と聞いたので、このような施工実績が増えていけば採用がさらに広がっていくのではないでしょうか。
–––––弊社としても福本工業様のご経験が樹脂管普及につながればと願っております。今回は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
Products
今回ご紹介させていただいた製品
水道用耐震管高性能ポリエチレン管 エスロハイパーAW
製品解説–––––
現在使用されている建物給水管の中で、住戸内配管は架橋ポリエチレン管(エスロペックス)、水道本管、敷地内埋設管、給水横主管は高性能ポリエチレン管(エスロハイパーAW)を使用しておりますが、防火区画貫通に関する法規制や長年の実績などから金属管が多く使用されております。エスロハイパーAWは建物給水管として開発・実用化を検討するに当たっては「独立行政法人都市再生機構」様と「建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会」との共同研究として、様々な実験検証を行なってまいりました。
その結果、信頼性や施工性・コスト的にも優れた新しい給水システムを実現する事ができました。敷地内埋設配管からピット内横引き管、給水立て管、メーター部まで、高い信頼性を有しオール樹脂管路が構築できる【エスロハイパーAW】をぜひご検討下さい。
ポリエチレン管の採用で 錆びなし!漏れなし!
■ 錆びることのない高性能ポリエチレン(PE100)を使用。赤水の心配なし!
■ 酸・アルカリに強く腐食性土壌や海岸付近の塩害地域でも腐食の発生なし!
■ 電気絶縁性にも優れ、鉄道付近でも電食の心配なし!
埋設配管で実績をつんだ 水道用耐震型高性能ポリエチレン管 を採用
■ 管体独自の可とう性とEF接合により地震に強い一体管路を構築。
■ エスロハイパーAW「免震継手」登場で、免震構造の建物にも対応。
■ 埋設配管(エスロハイパーAW)では、2003年宮城県北部地震、
2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震、2011年東北地方太平洋沖地震※、2016年熊本地震で被害件数がゼロ。
※津波被害は除く。
信頼のEF接合、軽量・柔軟な管材、保温レス可能により トータルコスト削減
■ 信頼性が高く熟練不要のEF接合により、スピーディな施工が可能。
■ 軽量かつ柔軟なポリエチレン管により、施工性が大幅アップ。
■ ねじ切りや接着が不要。改修工事でもシール材・油・接着剤で現場を汚しません。
建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管・継手(建物排水・通気用)
エスロンプラスチック単管式排水システム
製品解説–––––
積水化学は独自の耐火技術を用い、2011年にプラスチックによる単管式排水システム、耐火プラAD継手を開発しました。2019年には、プラスチックの耐食性はそのままに遮音性、施工性の向上を実現した耐火プラAD継手HG・SGが登場。立て管、横枝管ともエスロンパイプ・+(プラス)VPの接続が可能で更に経済的になりました。
そして2020年、プラ脚部継手の開発により立て管から横主管までオールプラ化を達成。同時開発の耐火プラAD継手HG最下階タイプと組み合わせることで、更なる納まりの向上を実現しました。充実の品揃えで高層階にも中低層階にも安心してお使いいただけます。
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1.遮音
遮音設計を一新。
非常に高い遮音性を実現します。 -
2.コスト削減
VP管との認定を取得。
経済的な配管が可能です。 -
3.コンパクト・軽量
継手重量は鋳鉄系継手の約1/3。
簡単に持ち運びできます。
これ以降は会員の方のみご利用いただけます
会員登録済みの方
未登録の方
<営業担当から一言>
西日本支店 中国設備システム営業所
管材/建築グループ
森下 太郎
福本工業 山根様、この度は現場レポート作成にご協力いただきありがとうございました。また、改めましてエスロハイパーAWと耐火プラAD継手をご採用いただきまして誠にありがとうございます。
山根様には、山口県管工事工業協同組合様主催の製品説明会を通じて数年前から当社製品をご紹介させていただいておりました。公共案件でもっと樹脂管が使えたらな・・・という要望を以前からいただいておりましたので当現場でそれが叶い、嬉しい限りです。
周南市役所様並びに福本工業様そして製品PRの機会をいただきました山口県管工事工業協同組合の皆様には大変感謝しております。軽くて錆びない、易施工も実現できる弊社の樹脂配管を今後もご愛顧賜りますよう宜しくお願い致します。