斎藤工業本社ビルの配管改修に
耐火VPパイプ・エスロハイパーAWが採用!
印刷版PDF(会員限定) Introduction
埼玉県を中心に関東近郊で数多くの建築物を手がけている斎藤工業株式会社。
1978年に建てられた本社の衛生配管の改修工事に積水化学のプラスチック管材が採用されました。
給水配管:エスロハイパーAW
排水配管:耐火VPパイプ
工期:2021年11月~2022年1月
本社ビルでは業務を行いながらの改修工事の実施。積水化学製品を用いてどのような工夫を凝らしたのか。ご担当者様に伺いました。
インタビュー : 2022年8月23日(斎藤工業株式会社本社にて)
Guest
斎藤工業株式会社 調達管理グループ
部長(設備担当) 渡邉 様
Interview
築40年以上の本社ビルの給排水配管改修。
自分にとって一番よいものを使用したかった。
- ———この本社ビルはとても建って40年も経っているようには見えないほどきれいですね。
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この本社は1978年に建ちましたので、かれこれ40年以上経っております。建物自体は部分改修を行い70年80年と使えるようにしていますが、給水管や排水管はそう簡単に取り替えることはできません。
やはり30年から40年くらいで更新するのが適正と思います。当社も部分的には直していましたが、やはり年数が経っているので水圧低下や赤水、排水つまりが発生しており、この度給排水の更新を行うことに決めました。- ———今回の改修工事の背景・概要をお教えください。
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排水管には鋳鉄管を使っていましたのでどうしても40年も経つとコブが出来てしまい、流れが悪い所があったので更新をすることにしました。排水管については積水さんの耐火VPパイプを指定というカタチで各社様に見積をとりました。主に排水立て管と壁貫通部分の枝管に使用しました。
給水管に関しては今までは鋼管(SGP-VA)を使っていました。管種はライニング鋼管(SGP-VB)/高性能ポリエチレン管/枝管架橋ポリエチレン管での更新工事で見積をとりましたが、結局高性能ポリエチレン管のエスロハイパーAWを選びました。
- ———排水管は耐火VPパイプをはじめからお使いいただくということだったのでしょうか?
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そうです。我々が扱う新築や更新工事の案件にも『耐火VPパイプ』やポリエチレン管である『エスロハイパーAW』は以前からずっと使わせてもらっています。施工性などの評判や現場の声も良く、当社の物件に対しては推奨品のような扱いになっていますね。だから今回本社ビルの改修をするにあたっても、せっかくお金をかけるのであればベストな管材を使いたいので、給水管には『エスロハイパーAW』、排水管には『耐火VPパイプ』となったわけです。
- ———鋳鉄管でコブが出来たということですが、実際に見られたりしましたか?
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実際に改修工事をやる前は時々つまりが発生していました。カメラを入れて見てみたところ、特にコーナー部に多くコブなどの不具合が発生していました。
鋳鉄管の錆は月日とともにどんどん大きくなります。そうするとつまりの原因になります。直管はいいのですが、やはりコーナー部が問題ですね。また、昔の配管は鋳鉄管を使っていて最後は鉛管で結んでいました。そこでまた錆が発生し漏水の問題になります。
給水に関しても長年使っているため赤水が発生していて改修を決断しました。
- ———建物を使っている中での工事だったと伺いました。
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今回の工事では基本的に業務を止めることなく更新工事を行うというのが施工会社に出した条件でした。
新築のように普通に工事するとか、改修でも建物を使わずに工事するということならいいのですが、建物を使っている中でいかにして更新するか。それが出来るかどうかも含めて検討していただきました。
- ———工事はどのように進められたのでしょうか。
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工事は2021年11月から始まって2022年1月に完了しました。大部分は2か月ほどの期間で完了し、1月の間は最後の細かい微調整でした。
工事の場所としては社員が使用する周り階段側の周辺に水場がまとまっていますので、平日は社員通用口、周り階段、廊下を8時~17時まで使用中止して工事を行いました。実際に工事をしている最中も工事フロアごとに引越しをすることもなく、メイン階段を使用して業務には一切支障がないという計画で進めました。日常業務をしながらの改修ですからできる限り騒音やホコリなどで社員の業務に支障がないように、その辺は気を使いましたね。
例えば、6階のトイレの排水配管は5階の天井を使っています。5階の排水配管は4階の天井を使っています。つまり6階を工事する時には5階も使えない。2フロアのトイレが使用できなくなる訳です。1週間で配管が終わって6階のトイレが使えるようになるけれど、次は5階の工事をするために4階が使えなくなる。「まだ使えないのですか?」って言われましたね。
横引き配管はいいのですが、問題は立て管です。立て管の工事のときには全フロアが使えなくなります。だから土曜・日曜のうちに済ませなければならない。月曜日の朝からは横引き配管工事を進めるフロア以外は全部使える状態にしないといけないんです。
- ———施工のご感想を教えてください。
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最初は1フロアにつき1週間で工程を組みましたが、実際は4日間くらいで工事が進んでいきました。施工業者の方も抵抗なく使えていたようで、この耐火VPパイプやエスロハイパーAWという管材が今や一般常識となったという証明ですね。
また、私としては工事にあたってこだわりがありました。
ビルの外壁に給水立て管が見えているような改修。外から見て「改修しています」とわかるようになっているのはどうしても避けたかった。今まで通りの見た目の本社ビルで、外からも内からも見た感じは昔と一切変わっていない。
そういったことを考慮し『時間短縮』、『材料の搬入のしやすさ』そして『後々問題の起きない材料』を総合的に考えました。
給水配管工事では資材置き場を作ってそこで4m管をカットしていました。カット音も気にしなくてよい。運搬もラク。融着ですからしっかりと確認ができる。慣れたらこんなに早いものは無い。
- ———積水化学製品はいつごろから使うようになりましたか?
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樹脂管は10年ぐらい前から使うようになりましたね。ただ職人さんがなかなかとっつかないんですね。
「これがいいから使ってみて」と推薦してもなかなか使ってもらえない。それが今では皆さん普通に使っていますから時代の移り変わりを感じます。でもまだ設備設計の一部の方ですが「管材は鋼管だ」と思っている方もいる。役所でもそういう認識はほぼなくなっているのにね。
- ———初めて樹脂管を見た時からこれは良いものだという印象を持っていましたか?
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そうですね。良い印象をもっていましたが、私は設備業者ではないので。良いものとは分かっていたのですが業者さんに浸透するまでにやはり時間がかかるな、と思っていました。
この業界の製品が普及するには、業者さんが「1回使ってみようか」と思ってもらえるかどうかが決め手でしょうね。
やっぱり1回2回と業者さんが使いだすと、みんな使ってくれる傾向にある。最初はやっぱり抵抗があるのですね。どんなものでも抵抗はあるのですが、新しい製品にはなかなか手を出さないですね。使うまでに時間がかかる。でも一度使っちゃうとみんな「良い」って言ってくれる。
それを考えると、やはり今回お願いしたサブコンの欧電工業(株)さんも樹脂管を使い慣れていましたよ。天井でパパパッと組んで、融着担当が手早く融着をやっていました。融着は一定時間かかるし、電圧も一定してないといけないので、段取りと時間配分を考えて非常に効率よく作業をしていましたね。実際に計画していた工程表よりは工事の部分で余裕が出てきましたね。
- ———他管種との違いをお聞かせください。
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この業界でこれまで一番苦労したのが赤水です。「2、3日留守にして帰ってきたら赤水が出た。どうしてくれるんだ」っていうクレームに非常に悩まされました。そういうことを考えると樹脂管を選択しますね。
塩ビライニング鋼管では腐食を防ぐため管端コアを使用するのですが、接続が悪いと隙間ができる。そして何年かすると錆が出来るのです。
最初はすごく小さいのですが、年月が経つとどんどん広がってしまい、結局グルっとひと回り錆が出来てしまいます。
鋼管ですとどんなにいい仕事をしても、経年による錆が発生してしまい赤水が発生してしまう。毎日使っていればいいが、1週間とか旅行に出かけたら、赤水が出てしまうということが起きます。当時、我々が悩んでいたところに樹脂管が出てきましたので「これはいいな」と思いました。これから先は赤水の心配をしなくて済むと喜びました。
また、排水に関しては、今回は改修なので消防検査があるわけじゃない。ただ後々何かあった時に困りますから耐火VPパイプを使うことによって、次の代に確かなカタチで渡せるようにしておいたのです。
この先に20年30年、当社もまだ使うとなれば、その中でベストな選択したい。こうして工事が終わって考えますと一番の管材を私の中では選んだと思っています。
- ———基本的にはすでに樹脂管がスタンダードになっているのでしょうか?
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そうですね。当社の物件に関しても、樹脂管がスタンダードです。施主様や設計事務所さんの意向にもよりますが、基本的には樹脂管をおすすめしています。
職人さんたちの間にもかなり浸透していて、今回の改修工事をしてくれた職人さんも融着にも慣れていました。接合の都度、圧をかけてチェックしていましたし、そつがない。融着時間には別の作業をやるなど、その段取りも上手な職人さんでした。裏の駐車場に産廃を置いて、カットしたらそこに持って行く。土日は解体。月曜からは配管工さんが仕事する。一流の職人さんたちは段取りも一流です。
- ———渡邉様は管材など製品の情報をどのように集めることが多いのでしょうか?
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積水さんとお付き合いさせていただいて、情報提供させていただけているので有難いです。千葉ソリューションセンターでは給水・給湯・排水など様々な実験を直接見られると聞きました。協力会社の方にも実際に見てもらうことで、更に製品の良さを周知できると思います。
私の方でもいろんな管材を研究していて、「こういうカタチで使ったらどうですか」と業者の方とコミュニケーションをとりながらうまい具合に工夫していければコストダウンにつなげられますし、環境問題にも対応し、残材を出来るだけ少なくもできる。
今後は「ある程度現場で合わせて工場でカットして」という時代もやってくるとは思います。まさしくプレハブ配管。現場では組み立てるだけ。そんな時代がくると考えていますし、そんなことが自分たちで何とかできないかなと思っています。
- ———最後に積水化学への要望や課題点、期待されることはありますか?
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接続部材の改良には期待しています。
異種管が途中で入ると意味がないので、ひとつの素材で配管の最後まで行けるような接続継手ですね。立て管からメーターまで、さらにポンプの結びで異種管が入るのではなく、そのまま接続できるようになったら完璧ですね。
———貴重なご意見をいただきありがとうございます。さらに施工の効率化、省力化に貢献できるよう努めてまいります。
本日はお時間をいただきましてありがとうございました。
Products
今回ご紹介させていただいた製品
建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管・継手
エスロン耐火VPパイプ
製品解説———
積水化学の開発した耐火テクノロジーにより塩ビ管がさらに進化!熱によりパイプの中間層が膨張し、貫通部からの熱気の浸入を遮断。火災の際の延焼を防止します。排水管・通気管の施工において従来、手間のかかっていた区画貫通処理も不要。スピーディな施工と確かな安心を実現する耐火VPパイプは適用範囲を広げ、さらに使いやすくなりました。プラスチックのパイオニア、エスロンパイプはこれからも進化し続けます。
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1.耐火性
耐火DV継手は耐火VPパイプとの組み合わせで確実に延焼を防止。
2.施工性
従来の塩ビ管と同等の取り扱いが可能。
3.省力化
防火区画の貫通がパイプだけで可能。
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水道用耐震型高性能ポリエチレン管 エスロハイパーAW
製品解説———
現在使用されている建物給水管の中で、住戸内配管は架橋ポリエチレン管(エスロペックス)、水道本管、敷地内埋設管、給水横主管は高性能ポリエチレン管(エスロハイパーAW)を使用しておりますが、防火区画貫通に関する法規制や長年の実績などから金属管が多く使用されております。エスロハイパーAWは建物給水管として開発・実用化を検討するに当たっては「独立行政法人都市再生機構」様と「建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会」との共同研究として、様々な実験検証を行なってまいりました。
その結果、信頼性や施工性・コスト的にも優れた新しい給水システムを実現する事ができました。敷地内埋設配管からピット内横引き管、給水立て管、メーター部まで、高い信頼性を有しオール樹脂管路が構築できる【エスロハイパーAW】をぜひご検討下さい。
ポリエチレン管の採用で 錆びなし!漏れなし!
■ 錆びることのない高性能ポリエチレン(PE100)を使用。赤水の心配なし!
■ 酸・アルカリに強く腐食性土壌や海岸付近の塩害地域でも腐食の発生なし!
■ 電気絶縁性にも優れ、鉄道付近でも電食の心配なし!
埋設配管で実績をつんだ 水道用耐震型高性能ポリエチレン管 を採用
■ 管体独自の可とう性とEF接合により地震に強い一体管路を構築。
■ エスロハイパーAW「免震継手」登場で、免震構造の建物にも対応。
■ 埋設配管(エスロハイパーAW)では、2003年宮城県北部地震、
2004年新潟県中越地震、2007年新潟県中越沖地震、2011年東北地方太平洋沖地震※、2016年熊本地震で被害件数がゼロ。
※津波被害は除く。
信頼のEF接合、軽量・柔軟な管材、保温レス可能により トータルコスト削減
■ 信頼性が高く熟練不要のEF接合により、スピーディな施工が可能。
■ 軽量かつ柔軟なポリエチレン管により、施工性が大幅アップ。
■ ねじ切りや接着が不要。改修工事でもシール材・油・接着剤で現場を汚しません。
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