工場・研究所 補修材
製造業(化学)K社 施設課A氏
化学メーカーK社の工場には薬液を含む工場廃水を処理するコンクリート製水槽があった。しかしその廃水処理槽の内面は薬液の影響で経年劣化していることが判明した。この廃水処理槽の防食工法を選定すべく、施設技術課で保全担当をしているA氏は検討を進めていたが、いくつかの課題があった。
対象施設:廃水処理槽 / 施工対象面積:75m2
▼現場イメージ
▼廃水処理槽内部
廃水処理槽内面を流れる廃水には、生産工程で使用するさまざまな薬液が含まれています。それらの薬液によってコンクリート製の躯体が腐食すると、深刻な漏水事故につながる可能性があります。そのため廃水処理槽内面の防食層には、高い耐薬品性が必要でした。コンクリートを防食するための工法を調べた結果、現場で樹脂を塗布しながらグラスファイバーで補強する工法や、樹脂のみを塗布する工法、さらには樹脂製パネルを貼り付ける工法など、複数の選択肢があることが分かりました。しかし今回のように、廃水にさまざまな薬液が含まれている場合の防食工法が分からず、まさにお手上げ状態でした。
工場の生産活動への影響を最小限に抑えるため、場内設備が停止する夏季休業期間中に廃水処理槽の防食工事を実施することが決まりました。この期間中は、他の施設の改修も同時に行うため、防食工事に充てられるのはたったの6日間でした。しかし工事を開始する前に、廃水処理槽内の水を全て抜いて清掃したり、躯体の下地処理を行うなどの付帯作業が必要でした。これらのことを踏まえると、防食層の施工ができるのはわずか2日間だけでした。
廃水処理槽の周囲には、さまざまな配管や機器が所狭しと並んでいます。A氏はこれらの施設を傷つけずに施工できるよう、現場を熟知している常駐業者だけで工事を完結させたいと考えていました。しかし常駐業者は防食工事の経験がありませんでした。したがって、特殊な技術が不要で、誰が施工しても品質が確保できる工法を選定する必要がありました。
耐薬品性に優れた防食層を短期間で施工しなければならない・・・さて、どのような工法を採用すれば良いものか?
課題解決事例は事実をもとに再編集しております。
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