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課題解決事例

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製造業(電子部品)C社  保全課 D氏

背景

岐阜県北部に位置する電子部品メーカーC社の工場では排水管に塩ビ管を使用していた。この地域では最低気温が0℃以下を何度も記録するため、保全課のメンバーは配管凍結による膨大なメンテナンス工数と数百万円に及ぶ補修費用に毎年悩んでいた。冬場のメンテナンス工数を減らせないかと考えていた矢先、-12℃に及ぶ10年に一度の大寒波が工場を襲った。塩ビ管が数十か所割れる等過去に例をみない凍結損害で、配管の補修に1000万円以上もかかってしまった。この大寒波をきっかけに、保全課の責任者であるD氏は配管の更新・仕様変更を検討し始めた。
既設:塩ビ管 / 廃液(排水処理場)

課題

製造ライン、まさかのストップ

寒波による被害で、通常の生産体制を確保することは不可能でした。復旧箇所の点検、業者への復旧作業の依頼、補修スケジュールの調整…といったように、突発的な対応に追われました。D氏は最小限の損害に抑えようと奮闘しましたが、とうとう一部の製造ラインを停止せざるを得なくなりました。停止期間は数日間とはいえ、C社は大きな損害を被りました。

土壌汚染の危機

今回被害のあった配管ラインは排水であったことから、漏水により土壌汚染などが発生していないか非常に不安でした。万が一、土壌汚染が発生してしまうと地域への影響はもちろんのこと、企業としても社会的な信用や責任を失う恐れがあります。「幸いにも、今回の漏水による環境的影響は生じていませんでしたが、設備担当者として、工場の安全管理は絶対的なミッションです。これを機に、より安全性の高い配管ラインにできないものかと思い、仕様変更を検討し始めました。」(D氏)

最適な配管が分からない…

C社の工場では、多くの塩ビ管には保温材を巻かずに使用していました。保温しないと紫外線による性能劣化や凍結時の破損リスクが高まりますが、漏水を発見しやすく迅速な対応が可能だと考えていたからです。一方で保温すると凍結や破損のリスクは減らせますが、漏水に気づきにくいという懸念がありました。過去に仕様変更を検討した際、金属管も候補に挙がりましたが、金属管では凍結時に破損は免れてもフランジ接続部分やパッキンから漏れる可能性もありました。また、腐食や経年劣化も懸念要素でした。

▼紫外線により変色した塩ビ管

▼腐食した金属管

課題のポイント
  • 1. 冬場の配管凍結で塩ビ管が破損し、工場の生産体制や周辺環境に影響を及ぼすリスクがある。
  • 2. 保温材を巻くと、破損や漏水した際に発見が遅れる可能性が高まる。

課題解決事例は事実をもとに再編集しております。

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