塩ビ管・継手の特性
塩ビ管が壁を貫通する部分で、塩ビ管と壁の隙間をシールしたいのですが注意することはありますか?
シーリング材は種類によって塩ビ管・継手を劣化させる成分を含む場合があります。
特にポリウレタン系のシーリング材に接触すると、塩ビ管に亀裂が発生することがあります。
一般的にシーリング材には、液状の可塑剤や有機溶剤等の希釈剤が含まれています。
これはシーリング材にゴム弾性を付与したり、施工時の作業性能を改善するためのもので、特にポリウレタン系シーリング材はフタル酸エステル系可塑剤及び非反応性高沸点希釈剤を含有しており、この2つの成分は塩ビを劣化させるものです。
また劣化を促進させる要素として、管路に負荷される応力があります。例えば、シングルレバー水栓の開閉によるウォーターハンマーや熱伸縮応力、支持金具による締め付け応力が塩ビ管に負荷されると、シーリング材に配合された劣化成分との相乗効果で、塩ビ管に微細なクラックが発生し、破壊に至ることがあります。
塩ビ管、継手に直接接触するシーリング材には、可塑剤(フタル酸エステル、DOP等)や有機溶剤(キシレン、トルエン等)などの塩ビ管を劣化させる成分が含まれていないものをご使用ください。
シーリング材に含まれる成分については、メーカーのMSDSで確認するか、問い合わせていただき安全性をご確認ください。
※推奨商品
積水フーラー社製「シリコン系シーリング材」「変性シリコン系シーリング材」
バルコニー水栓など塩ビ管が外壁を貫通する部分で、塩ビ管と外壁貫通部の隙間を防水のためポリウレタン系シーリング材でコーキングした。
工事から1年後、水栓に軽く手を掛けただけで塩ビ管が破損した。調べてみると塩ビ管にクラックが発生しており、極端に強度が低下していた。
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