コラム
工場排水管路の「老朽化対策」していますか?

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公開日2025.3

埋設管路の「老朽化対策」していますか?~放置していると重大な事故につながります~

コラムの見どころ

工場設備保全ご担当者様、日々の業務で排水管について悩まされていませんか?
それらの問題は排水管の老朽化が原因かもしれません。
配管の老朽化対策を考えるうえで、工事期間中の工場稼働への影響を最小限に抑えながら、
効率的に補修する方法があることをご存知でしょうか?
本コラムでは、排水管の老朽化によるリスクと、その解決策について詳しく解説します。
ぜひご一読いただき、工場の安全で効率的な運営にお役立てください。

★この記事は約6分で読めます。

1. このようなことでお困りではありませんか?

皆さんが維持管理されている排水管について、このようなお悩みや心配はありませんか?

  • 排水管の流れが悪く、頻繁に詰まってしまう
  • 排水量が急増していて、漏水や破損をしないか不安
  • 道路の凹凸が目立っており、陥没するかもしれない
  • 予期せぬひび割れから工場排水が流出した場合の土壌汚染が心配

これらの問題は排水管の老朽化が原因であり、工場の稼働に影響を及ぼす前に早急な対策が必要です。
しかし、いざ補修工事をしようにも

  • 排水を止めると工場稼働に影響が出る
  • 工場停止期間中に配管の更新工事をしたい
  • 配管の更新工事中も工場内輸送路を使いたい

といった課題があり、なかなか補修工事に取り掛かりにくいこともあります。
本コラムでは、老朽化した排水管を放置するリスクについて解説し、最適な補修方法についてご紹介します。

2. 管路の老朽化とは?

「管路の老朽化」とは、長期間の使用によって排水管が劣化し、機能や構造的な強度が低下する現象を指します。排水管の内部は生活排水から発生した硫化水素や工場排水に含まれる薬液等によって厳しい腐食環境にさらされています。また、工場が海の近くにある場合も、塩害被害によって排水管の劣化は加速します。

管路の腐食・強度低下

このような腐食環境が続くと、管内の鉄筋が露出し、強度が低下してひび割れが発生します。これにより、管の耐久性が著しく低下し、管が破損して地下水が浸入したり、漏水したりします。また土砂による閉塞なども生じます。その結果、排水が困難になったり、詰まりが発生したり、さらに周囲の地盤沈下や道路の陥没などの重大な問題を引き起こす可能性があります。

▼事例紹介▼

腐食し鉄筋露出
強度低下によるひび
ひびより浸入水
土砂による閉塞・漏水

3. 管路の老朽化による影響

では管路が老朽化すると、どのような影響があるのでしょうか。

1) 道路陥没事故の発生

劣化した管路からの漏水によって周囲の土砂が侵食され、空隙ができることで道路陥没の発生リスクが高まります。ひとたび道路陥没が発生すると、人身事故や、工場であれば生産停止など、さまざまな重大リスクにつながります。令和4年度で、管路施設に起因した道路陥没は2,600件も発生しているというデータがあります。

出典:国土交通省国土技術政策総合研究所上下水道研究部下水道研究室HP
「下水道管路管理延長(令和4年度未時点)及び下水道管路に起因する道路陥没事故 発生状況(令和4年度)」

2) 周辺土壌への汚染

ひび割れた管路等からの漏水は、化学物質を含んだ廃水の流出による土壌汚染を引き起こす恐れがあります。

3) メンテナンスコストの増加

老朽化した管路は頻繁な修理や交換が必要となり、維持管理費用が増加します。

老朽化によるトラブルやリスクを未然に防ぐために、以下のような法令を遵守し、定期的に清掃するなどの適切な維持管理・更新が求められています。

  • 水質汚濁防止法(水濁法)
  • 湖沼水質保全特別措置法(湖沼法)
  • ダイオキシン類対策特別措置法(ダイオキシン法)等
  • 各自治体の下水道条例等

このように老朽化した配管を放置しているとさまざまなリスクが発生するため、早急な補修工事が必要となります。 ただ、工事期間中にも様々な課題があります。
次ページでは、これらの課題を解決する補修方法についてご紹介いたします。

課題のポイント

  • 1. 排水を止めずに配管の更新工事をしたい
  • 2. 工場停止期間内に更新工事を完了させたい
  • 3. 工事期間中も工場内輸送路を使用したい