配管の凍結・破損対策 ~原因や対処方法を説明!~

例年12月~2月頃、配管の凍結が発生する時期がやってきます。それは配管が破裂するリスクが高くなる、恐ろしい時期とも言えます。
本コラムでは工場配管や屋外配管を使用される皆様へ、配管凍結のリスクと対策をご説明します。
- 1.凍結が起こりやすいのはどんなとき?
- 2.配管が凍結すると破裂する?!
- 3.配管の破裂を防ぐ凍結対策
- 4.積水化学おすすめ配管材のご紹介
- 5.まとめ
- 6.参考資料
1. 凍結が起こりやすいのはどんなとき?
「長期休暇明けの運転開始時や早朝に配管が凍結していた。フランジ部やパッキンからは漏水がみられた」
「冬場の保全作業や工事作業中に、配管に衝撃を与えてしまい破損した」
一度はこのようなご経験があるのではないしょうか?
これらのトラブルは特に寒さが厳しくなる季節に発生しやすいものです。
では、凍結が起こりやすいのはどんなときでしょうか。
配管が凍結しやすい状況(例)
- 最低気温がマイナス4℃
- 連続の真冬日
- 長時間使用していないとき(年末年始など)
- 配管が屋外に露出している(特に日陰や、強風が直接当たる場所)
配管の凍結は寒冷地域だけでなく、寒波や気温が下がれば全国どこでも起こりうるトラブルです。特に屋外配管や、北向きの日陰・強風が直接当たる場所では、配管凍結のリスクが一気に高まります。水道の凍結に注意する目安として、日本気象協会が気温などを元に計算している水道凍結指数があります。毎日更新されているので、気になる方はぜひ一度ご覧ください。
2. 配管が凍結すると破裂する?!
配管が凍結すると、破裂に繋がる可能性があります。その理由を、流体が水とした場合でご説明します。

水が冷えて氷になると、液体のときよりも体積が約10%も大きくなります。そうすると内側から圧力がかかり、配管の破裂に繋がってしまうのです。
配管が凍って使えなくなってしまうと困りますよね。そのような予期せぬトラブルを防ぐため、対策をすることが重要です。
3. 配管の破裂を防ぐ凍結対策
では、配管が凍結しないようにするには、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。そんな疑問をお持ちの皆様に、一般的な対策を3つご紹介します。
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1) 保温材の使用
保温材*などを使用し配管を覆うことで、凍結リスクを軽減できます。
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2) 水抜き
配管内に水が溜まっていると凍結しやすくなってしまいます。
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3) 水を流し続ける
流動する水は凍結しにくいため、水を循環させることで凍結リスクを軽減できます。
(備考・注意事項)
*配管材や使用状況により最適な保温材は異なります。
これらはあくまでも一般的な対策方法です。具体的な対策は、配管の状況や環境により異なりますのでご注意ください。
配管が破裂すると、工場のライフラインに大きな影響を与えてしまいます。近年は急激な気温変化や寒波の到来で、配管の凍結はいつ訪れるかわかりません。予期せぬトラブルを防ぐため、計画的に対策を講じることが重要です。
4. 積水化学おすすめ配管材のご紹介
この章では、積水化学のおすすめの配管材「プラントハイパーBK」を使用することで、寒冷地域や寒さの深まる季節に起こりがちな凍結破損を未然に防げる理由をご紹介します。
長期休暇明けの運転開始時や早朝に
配管が凍結しがち
流体が凍結した際の膨張に
耐え切れず破損

繰り返す温度変化で
フランジ部やパッキンから漏水

保全作業や工事作業中に
配管に衝撃を与えてしまった
樹脂がかたくなっており
ちょっとした衝撃で破損

「プラントハイパーBKの特徴」
1) 柔軟性
ポリエチレン管の1つであるプラントハイパーBKは凍結や温度変化による膨張に耐えうる柔軟性を有しています。保温材なしでも、凍結による破損被害を防止します。一定条件下での凍結はありますが、繰り返し凍結しても異常なしという実験データがあります。
▼繰り返し凍結試験結果

▼繰り返し凍結試験における外径変化率

※当社実験結果であり保証するものではありません。使用環境・地域によっては保温材の検討が必要です
2) 配管と継手が一体化
ポリエチレン管で用いられる電気融着(EF接合)は、通電による発熱で樹脂を溶融し、樹脂の膨張による圧力で配管と継手を一体化させる仕組みです。融着された接続部はパイプ単体よりも強度を有し、引張試験や剥離試験を行っても抜けたり漏れたりしません。プラントハイパーBKはこのEF接合を採用しており、継手部からの漏水を防止します。
![]() |
EF継手の構造 |
![]() |
EF接合の引張試験 |
3) 強靭な耐衝撃性
約10tの重機が通過しても割れずに復元するほどの強靭性を持つため、作業中の不慮の事故で破損する心配がありません。

「本当に割れないの?」という疑問をお持ちの方は、こちらの動画をご参照ください。プラントハイパーBKと塩ビ管(JIS K 6741)の耐衝撃性能について比較試験をしたもので、約2分30分の短編動画です。

<試験内容>氷点下域にて各種配管に落錘試験を行う
※試験温度 : 0℃ - 10℃ - 15℃ / 錘形状 : 先端φ50.8mm 重量9.07㎏
※比較管種 : プラントハイパーBK、VP
5. まとめ
凍結が発生しやすい状況や配管凍結による破裂のリスク、凍結対策についてご紹介しました。皆様の凍結対策状況はいかがでしょうか?
プラントハイパーBKを用いることで凍結対策が可能になる場合がございます。ぜひ本コラムをご参考に、凍結対策をご検討ください。