土木関連 雨水・雨とい
狭小地にある集合住宅の雨水浸透トレンチ・・・・
最適解は「砕石」ではなく「樹脂」だった
設計コンサルタント A社 設計担当者 N氏
背景
とある集合住宅の設計を担当することになったN氏。敷地内の雨水対策として、雨水浸透トレンチを設計することになった。以前、その現場の近隣にある集合住宅では、ゲリラ豪雨で排水が間に合わず1階住戸の玄関まで浸水したことがあった。そのため今回設計する集合住宅では十分な雨水浸透対策ができているか、施主も関心があるようだった。
課題
限られたスペースでの設計
今回の雨水浸透トレンチは、従来通り砕石トレンチを採用する予定でした。しかし、いざ設計に取りかかると、現場は集合住宅に挟まれた場所など、トラックが入れないほどの狭小地が多く、トレンチを敷設するスペースに制限があるとわかりました。
砕石の空隙率は自治体により30%程度と決められています。その空隙率を考慮すると、本現場では砕石トレンチの敷設のため、狭小地を含め長距離の掘削が必要です。N氏は限られたスペースでの設計に頭を抱え、「掘削長さを削減できるような、良い代替部材はないか」と考えていました。
メンテナンスの簡易性を考慮して設計したい
雨水浸透施設は経年により土砂や堆積物が詰まり、頻繁に施設内に水が滞留したり、施設外へ水があふれ出ることがあります。このような状態を放置すると、清掃しても本来の機能を発揮するまでには回復しないため、自治体によってはメンテナンスの簡易性を考えて雨水浸透施設の設計を行うよう、指針を示しています。
本現場でも十分なメンテナンス性を考慮した設計が求められていました。しかし砕石トレンチを採用する場合、砕石をすべて移動させて清掃するのは極めて困難です。N氏は施設の設計段階から工夫し、根本的に目詰まりが抑制できるものを採用したいと考えていました。
新しい製品でも実績がなければ・・・
N氏は砕石トレンチに替わる製品で、信頼性を十分に証明できるものを探していました。採用実績のない製品を導入する場合は、信頼性の高い製品を採用することが求められます。また施工時のサポートも十分でなければ設計記載はできません。
課題のポイント
- 1. 雨水浸透トレンチを敷設するための、掘削量を減らせる製品はないか。
- 2. メンテナンスが容易な製品を選びたい。
- 3. 採用実績やサポート体制が十分か。
課題解決事例は事実をもとに再編集しております。