2024.10.18

  • 課題解決
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どの配管なら強アルカリ系薬液を流せる?
総延長1km以上の新設ラインに選ばれた仕様は・・・

課題解決事例

工場・研究所 工場配管・バルブ

製造業(自動車部品メーカー) D社 設備課 B氏

背景

自動車部品メーカーであるD社は、敷地面積・建物ともに過去最大規模の工場を新設することが決まった。そこで立ち上げを任されたのが、設備課の課長であるB氏だ。新工場には強アルカリ(pH11超)のラインを新設する予定だが、D社内には類似ラインが存在しないため、配管仕様の検討から行う必要があった。また非常にひっ迫したスケジュールで完工する必要があり、B氏は頭を抱えていた。
施工内容:ラック上屋外廃水(強アルカリ系) 配管口径 100A / 施工総距離 約1km

課題

求められる条件が多く、最適配管がわからない

B氏は配管仕様を検討するにあたり、安全面を第一に考えて必要条件を洗い出しました。まずは、耐候性です。新工場の強アルカリラインは屋外のラック上に配管する予定だったため、紫外線による経年劣化の対策が必要だと考えました。従来、D社では屋外で塩ビ管に保護カバー材を設置する配管仕様で、紫外線対策を行っていました。しかし今回は工期が限られており紫外線対策に割く時間も惜しい状況でした。そのため、むき出しで使用しても劣化しにくい配管を選定したいと考えていました。次に、耐薬品性です。強アルカリ系の廃水は人体に触れると甚大な健康被害を及ぼします。しかし今回は配管ラックの下に従業員通路があり、漏液は絶対に許されません。このように複数の条件を満たす必要があり、B氏は最適な配管がわからなくなってしまいました。

配管仕様決定の責任が重くのしかかる

新工場で、しかも前例のないラインの仕様を決定するには、まずは信頼性の高い配管を選定しなければなりません。そして選定した根拠を明確にして周囲を納得させる必要があり、責任は重大でした。プレッシャーを感じていた要因の一つに、配管距離の長さもありました。新工場はD社内で最も規模が大きいため配管距離も長く、もしも配管にトラブルがあった場合はその分被害が大きくなってしまいます。B氏はこのような状況で配管仕様を決定できるのかと、不安になっていました。

余裕のない工期だが、完工するしかない

D社は取引先への製品供給のためにも、早急に新工場を設立しなければなりませんでした。工期が遅れると自社だけでなく取引先にも大きな影響を及ぼすため、必ず予定通りに完工する必要がありました。しかし工期に余裕がなかったため、配管仕様の検討はもちろん、施工にかけるスケジュールもひっ迫していました。

課題のポイント
  • 1. 散水用バルブや漏水している箇所の特定を容易にしたい。
  • 2. 抜本的な対策を講じ、より長く安心して使える配管にしたい。
  • 3. 掘削作業が不要で、コスト・工期削減を可能にする改修を行いたい。

課題解決事例は事実をもとに再編集しております。